佐々木晴明 税理士事務所

2020年4月8日水曜日

コロナ騒動と追加融資をわかりやすく説明する&注意点(銀行さんとのお付き合いの仕方)


川越で税理士をしています佐々木です。確定申告の期限が延びましたが、世の中不穏ですね。緊急事態宣言もでて、企業活動にも支障が出てきました。
飲食業や旅館業だけでなく、不動産賃貸業・建設業など様々な産業分野に不況が飛び火しているのを耳にします。

川越の金融機関との付き合いも多いため、普通の人よりは常に情報が集まってきます。
さて、現在、コロナ関係で緊急融資が打ち出されていますが、現状埼玉県ですと、日本政策金融公庫からでている融資メニューが一番金利が安く、人気があります。
川越支店に電話してみたところ、ここ1週間なかなか電話がつながらなくなりました。(2020.4.7現在)いつも話し中になります。

日本政策金融公庫の融資条件をわかりやすく


最大6000万円・返済据置最大5年(つまり返済スタートが最大5年後から)というものすごく有利な条件の融資です。コロナ関連融資の場合、無利息ではないのでご注意ください。(報道が少し過大であるように感じます。)基準金利マイナス0.9%(初めの3年)という金利の表現です。(その後は普通の災害時用の低金利の利率)
この基準金利というのは、1.2%前後(無担保無利息)であるため、ー0.9%すると0.3%前後になります。あれ、0.3%はあるとお思いかと思いますが、現在、政府では利子補給制度を検討しています。

参考 日本政策金融公庫 Q&A
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_faq_jisshitsumurishika.pdf

    これによると、売上15%以上減少した法人又は、個人事業主(要件なし)で利子補給制度
    を検討しているとのことです。
    (2020.4.7現在)。
    利子補給とは、どんなものかというと後で利子相当額のお金が銀行口座に入ってくるという
    イメージで間違いないと思います。

要件としては、個人事業の場合には、前年同月と比べて売り上げが5%以上下がっていることです。
つまり、2019.3月の売上と2020.3月の売上を比較して5%以上下がっていることを立証する書類が必要ということになります。


銀行員(政策公庫)はここをみている!融資のポイント

あえて、書かなくても当たり前なことだと思いますが、意外で知らない人も多いようですので、ちょっとだけ記載します。融資は、過去の経営成績(定量分析)と社長の人間性・ビジョン・業界の状況(定性分析)にわかれます。今回のような件の場合、過去の経営成績の評価 < 社長の人間性 が融資判断の多くを占めることになります。つまり言い換えれば借入は信用性と実績が大きな要因だということです。

1 国税の滞納はないか?・期限内に収めているか?

滞納がないことの証明について、できれば納税証明書よりも銀行の通帳で支払いが分かるページまたは、納付済みの納付書を持ってきてくださいと言われます。
これは、日本政策公庫が、政府系金融機関であるとことが理由だと思います。融資条件として、国税(所得税・法人税等)の滞納がないことが要件ですので、まずこれを確認されます。

2 公共料金の支払い遅れがないか?


ガス水道電気・あとは携帯料金の支払いに遅延があると信用が落ちます。
これは、金融機関から見ると、督促(引落不能通知)がきてからやっと支払うような支払い遅延が常態化している人については、きっとお金を貸してもなかなか返してくれないだろうな?と思われます。今回のコロナ騒動の融資はここはあまり重要視されないかもしれませんが、通常の場合には、ここがネックになってお断りされることがあります。お金を借りる必要のある人は、支払遅れがくせにならないには注意しましょう。
(みんなにこにことしていますが、信用保証情報がブラックリスト入りしているかもしれませんよ)
話は、飛びますがクレジットカードの支払い遅れ・携帯電話の料金の遅れが常態化する人は、キャッシングローンに断られることが多いです。これは、信用保証情報が傷ついているためです。

3 銀行借入について、支払期日に払っていない


これは、論外だともいますが、銀行から借りたお金については、期日返済できない人は銀行借りれを断られる可能性が高くなります。
他の支払いと同じように返済がすこし遅くなっている人は、自然と通帳残高が少なめにしているため、銀行の返済も期日通りできないことが増えてきます。
このパターンの人は、かなり信用が落ちているため、6~12か月は期日どおり支払実績を積まないと新規借入は厳しいと言われています。

4 社会保険の支払遅延もある

これも税金や公共料金と一緒で支払遅延のある場合、合理的な理由がないかぎりルーズな人も断られるようです。督促について、無視していれば大丈夫と思っている人がいますが、融資が必要なほど困ったときに手痛いしっぺ返しを受けます。


最後に

なんだ当たり前のことと思う方が大半だと思いますが、世の中にはたまに上の中にはいる経営者の人がいます。
融資は極論すると単なる借金です。私は本当は個人的には借金はしない方がいいと思っています。今回のコロナの騒動では、融資が必要不可欠の人ももっと多くなってくると思います。上記に当てはまる人は、今回の件を乗り越え、銀行との付き合い方を覚えるでしょう。経営者としてスキルアップしたタフな経営者となってほしいと切に思います。
コロナ禍をきっかけに、タフな経営者の人が多くなりますように。

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